しかし自分は恥ずかしながら長いこと理解することができなかったので、同じような状況にある方の助けになればと思い、筆(キーボード)をとった次第です。
さて、異能バトル漫画を読んでいれば一度は聞いたことがあると思います。
この世界には4つの力があり、それぞれの力を媒介するボーズ粒子が存在する(ゲージ粒子と呼ばれる)と。
・強い力(グルーオン)
・電磁力(フォトン)
・弱い力(ウィークボソン)
・重力(グラビトン)
(これらの力が高エネルギー下では同じ理論で統一できるとかいう話は今回はしません)
これについて興味が湧いて調べると、だいたいは「物体同士がゲージ粒子を交換(やりとり)することによって力を与える」とか書いてあると思うんですが。
ここで「なんで粒子をやりとりすると力を与えたことになるんだ?」が分からないと、これを説明してくれる文章は滅多にありません。
私は長年これが分からず、説明してくれる文章に出会うことができませんでした。
ええ、今回の記事はここでこれが分からなかった人のためだけに書いています。
まず、これらのゲージ粒子は一つ一つが運動量を持ちます。
※高校物理的には「光子は質量がゼロだから運動量はmv=0*c=0だろ」という感じなんですが、光子も質量以外の項から運動量を持ちます。高校生は習ったり習わなかったりするようです。
ゲージ粒子をやりとりするというのは、片方の物体(Aとする)はゲージ粒子を投げ、もう片方の物体(Bとする)はゲージ粒子を受け取るというようなことを指します。
ゲージ粒子はAから飛び出る際に、Aの持っていた運動量をいくらか奪い去って独立します。
ゲージ粒子が上向きに飛び出るのならゲージ粒子は上向きの運動量を持っていったというわけで、
上向きの運動量を持っていかれてしまったAは逆に、下向きの運動量を得るとも言えます。
霊丸(レイガン)を発射すれば浦飯幽助も反動で後ろに吹っ飛ぶ、というような形です。

↓

上向きの運動量を持つゲージ粒子を受け取ったBは受け取る前と比べて上向きの運動量を得ます。
戸愚呂(弟)も霊丸(レイガン)を受け止めることに成功しても後ろに退がる、というような形です。

↓

※実際にはそういうマクロなスケールの物理ではない(量子力学)なので厳密には正しくないんですけど
これが「力」であるという説明は単純にできます。
「力」というものがどんな定義だったかを思い出せば上記の一連の流れが「力」であることがわかるでしょう。
「運動方程式」が「力」の定義式です。

左辺のFが力、右辺のmが質量、aが加速度ですね。
加速度というのは速度の単位時間あたりの変化量を指し、単位時間あたりの変化量というのは「時間微分」を用いて次のように表すことができます。

(tは時間、vは速度)
さらにここで、mはtによらないので時間微分の中に入れることができ、次のように書き換えても良いです。

おや、mvというのは運動量ですね。
つまり、力というのは運動量の単位時間あたりの変化量のことなのです。
先ほどのゲージ粒子のやり取りではまさに運動量が変化しており、運動量が変化しているということは力が発生していると言えます。
正直このあたりまでくると、「力」という概念にはあまり意味が無く、本質的なのは運動量の方であるという話になってしまうのですが、当初の目的である「ゲージ粒子のやりとりが力の発生になるのは何故なのか」ということが説明できました。
私と同じ疑問を持っていて、これを読んでナルホド~と思ってくれる方はいるのでしょうか・・・
誰かの中二病の助けになりますように・・・
以下おまけ
で、実際にバットでボールを打ったりするのは何力なのよと言うと、電磁気力らしいです。
我々が目にできる重力以外の力は全て電磁気力だそうです。
強い力も弱い力も影響する範囲が素粒子レベルのスケールでしかなく、重力と電磁気力のみが無限の長さまで影響するので。
あっ もしなんか間違ってたら教えてください(
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